作・演出/大川
豊 出演/大川 豊、寺田体育の日、江頭2:50、フランキー為谷 コンタキンテ、松本キック、ハウス加賀谷、三平×2 他 |
1998年7月11日(土) 愛知県芸術劇場小ホール
以前から知り合いが行っていたりして気になっていた大川興業の本公演。今回は、20年来の友人、A姉妹(仮)のご招待で行ってきました。 彼女たちから何度となく話を聞いたり、サイト探しを手伝ったりしていたので、私の中にも既に大川興業というコトバが染み込み、洗脳されかけていました。(^_^;) (私は逆にウルフルズのプロモ活動をしていたという・・・) その日は車で名古屋へ向かいました。私はプロモ活動の一環(!?)でウルフルズのアルバム(サンキュー・フォー・ザ・ミュージック)を持って行って車内でかけてもらってたんだけど、Aちゃんは特に「全日本昔話選手権」が気に入って、その日は何度もAちゃんから、花さかじいさん(だっけ??)のフレーズでコール&レスポンスがあって、その度に3人で「イエ〜!!」とでっかい声で応えていました。(^_^;) 私が出発する時間が遅くなったことと、のんびり遅い昼ご飯を食べていたせいで時間が結構せまっていて焦って向かっていたんだけど、ちゃんと開場時間に合わせたように、その日の会場、愛知県芸術文化センターに到着した。その日のチケットはいただいたもので、なんと一列目、ステージ向かって左の6番目。いいのかなぁ、初めてでこんなにいい場所で。(^_^;) 客層は、普段の私が行くライブとそうたいして違いはなかったです。座って公演のパンフレットやチラシを見ているとあっという間に開演の7時になった。 ※内容をかなり詳しく追っているので、「全体の感想だけでいいや」って人はココをクリック! メモ少々と記憶で書いたので実際の流れや言い回しとはかなり違っているかもしれません、ご了承を。 幕がしまったままステージの最前で。コンビニ「サブマート」の店長・御手洗(江頭2:50)が、長髪ロン毛+白いカチューシャでアディダスのジャージ上下のシブヤ系のお兄ちゃん・タケ(フランキー為谷)を人質に取って、刑事(寺田体育の日)に身の代金を要求する場面から始まった。為ちゃん(あえてこう呼ばせていただきたい)は東京フレンドパークでしかしらないけど為ちゃんのシブヤ系はきっついなー。(笑)キツすぎて大笑いしました。要求額はなぜか「4億300万」。(笑)刑事「飛んで、300万円だな!」犯人「そうだ。飛んで、だ!!」というやりとりに開始早々大笑いしてしまった・・・。それと「革命」を認めること。(要求) 暗転して舞台の幕があがってしばらくすると、舞台の上がぼーっと明るくなってくる。バックについたてのような白い板が何枚か間隔を空けて立っていた。そして舞台の真ん中に黒い機動隊のような服装の大川総裁が登場。自分の父親に語り掛ける調子で「父さんは戦う時はいつもこの曲を歌っていましたね・・・。」といって「ふるさと」を歌い始める。何だか懐かしいような、すがしいような、涙が出そうな、不思議な感覚に襲われた・・・。バックにロシアの兵隊のような、『帝都物語』の嶋田久作のような格好をして、大きくて真っ赤な国連旗を持った若手の人達が登場してバシッバシッと旗を振っていた。 そしてハウス加賀谷、江頭、為谷の3人が←こんな感じの迷彩服を着て登場。型をキメて、高いまわし蹴りを見て、普段目にすることのないマジメな表情を見てドキドキしちゃったりもした。特に、私の目の前で腹ばいになって拳銃を構える江頭の表情には、今までの印象を180度変えてしまうくらいのものがあった。続いて松本キック、寺田、コンタキンテの3人も同じく迷彩服で登場。キックさんもカッコいいなぁ・・。そして全員揃っての演舞。まだオープニングなのに「うわ。大川興業って何か、スゴイィィィ・・・。」と思ってしまった。 バックのプレートが4枚デコボコのデコのカタチにくっつけられてそこに「第23回大川興業本公演」「出演」といった文字がデカデカと写し出された。そして、一旦閉幕・・・。 警察の事件対策本部長は大川総裁。すごいピッタリしたカツラかぶっているのと、下唇をびろ〜んとさせながらしゃべっているせいで最初は総裁って気付かなかったぁ。(^_^;)ナイスなキャラです。部下の刑事の寺田さんも役によって印象がゼンゼン違って見えるんですけど・・・。 事件の経過を追いつつ、事件直前の店の様子が再現される。店長が品出しなんかしていると、バイトの面接に変わった学生サカグチ ヒロミ(コンタキンテ)がやってくる。オドオドしていて「洋服の青山系」スーツを着ておとなしいキャラ。でも突如心の叫びを、もろに口に出してしまうという癖があっておもしろい。訝しがるコンビニ店長に向かって「危ないやつが来たなって思っただろ!」とか「駄目なら駄目って言え!」って叫ぶたびに私のツボにはまっておもしろくて仕方がない。持参した履歴書には「ローソン3日でクビ」といったコンビニバイト遍歴を見て追い返されるんだけど、出て行ったと思ったら勝手に荷受けしてしまって商品の陳列を始めたりと、店員になりきっていて、店に買い物に来たお客さんにも例の「心の叫び」をやってしまったり・・・。コンタさん、今まであんまり見たことも気にしたこともなかったけど、いいキャラです。 そこに「サブマート」で3年間バイトしている華原朋美の追っかけ命の地味な学生ミヤザキ(松本キック)登場。もうね、登場だけでヤラれました。何度も洗ってクタクタになった丈の短い「朋ちゃんプリント」付のTシャツ、横分けの髪型、綿を含んだほっぺ、ひょこひょこした歩き方、落ち着かない様子で無性に頭を掻くしぐさ。キックさんすごすぎる!そこにシブヤ系の(!?)為ちゃんが来て、キックさんからカツアゲしたり(しかもそのお金はサブマートのレジから抜いたやつ)・・・。お金のことでもめているところに天皇と親しいと自称する青年ナガタ ヨウイチ(ハウス加賀谷)が宅急便の持ち込みに来る。宛先は皇居、中身は「スウェット上下」。(^_^;)心の叫びマスター(勝手に命名・コンタさんの役)が「アブナイやつが来たぞ!!」とすかさず叫ぶ。そこに「こういうの送ってもかえってきちゃうと思いますよ。僕まえに送ったことあるから。」という店員(キックさん)もスゴイ(こういう小ネタがたまんないです)。それに応えて「僕なら大丈夫。ちょっと待ってて」といいながら携帯電話を取り出し、「モシモシ?皇居ですか??中つないでくれる?ん?ナガタですけど。・・・ああ、アキヒト!スウェットの上下送るから、うん。今度周りをジョギングする時にでも着てよ、うん、じゃあまた電話するね〜」って。(^_^;) 再び刑事の会話に戻り、店内にいる面々の身元についての話になった。中でも面白かったのが加賀谷の役。なんと「自由自民党」党首として選挙に出馬しているという。「自民党が自由民主党の略なのに、もうひとつ自由が付くのか!?」と総裁@本部長。(笑) 刑事の会話から、シブヤ系ロン毛、白カチューシャの為ちゃんがカツアゲの容疑で警察にて取り調べされるシーンになったんだけど白カチューシャ隊(為谷・加賀谷そして江頭ともに二役)がすごい(笑)。全員ロン毛に白カチューシャ。為ちゃんはアディダスのジャージ上下にナイキのスニーカー。加賀谷は白いニットのVネックカーディガン、江頭は・・・長髪のかつらが強烈に似合っていなくてそっちの印象ばかりで服まで覚えてない・・・。(^_^;)(※AK姉妹より、水色の半袖Tシャツにジーンズ下ろし気味、系だったそうです) 取り調べ室で一列に並んで座って「オレたち、白カチューシャ隊、イエー!」とラッパー風の手つきをするキメポーズ。おかしすぎる。加賀谷のキャラはカッコいい(!?)んだけど・・・、江頭のキャラは無理があり過ぎ。(そこがポイントなんだけどさっ)ハルこと春団治38歳(笑)。寺田@刑事に「18の小僧たちと遊んでて楽しいかぁ〜!?」と言われ「若さを吸い取ってんだよぉ!!」だって。[※こぼれ話その1] 結局コンビニの中の面々は仲良しになっちゃってて、心の叫びマスターのコンタさんと店員のキックさんが正座して「マグネット将棋」をやっていたり、その姿を為ちゃんが使いきりカメラで撮ったりしていた。将棋をやっていた二人にシブヤ系の為ちゃんと自称「天皇と仲良し」の加賀谷が加わって名刺ジャンケンが始まったり・・・。加賀谷の出す名刺は「マッカーサー元帥」や「ウォルトディズニー」なんてものばかり!マッカーサーの住所が「犬山市・・」っておいっ!犬山ってとこが妙にリアル・・・。(笑)リトルワールド(※)の中にでも住んでるのか〜?? 電話番号を見て携帯電話で電話して「あ、マッカーサー??敗戦国のナガタですけど。うん。宅急便でパイプおくったから。サングラスはあまり濃くないほうがいいよ。タラップ踏み外すから。また統治しに来てよ。」なんてしゃべったりして。ウォルトディズニーにはこれまた「敗戦国のナガタですけど。うん、あれうまくパクったねー!そうジャングル大帝。今度は何パクるの?もののけ姫とか?え?・・・金田一少年の事件簿??だめだよ〜。あれ自体パクリなんだから・・・、あ、切られちゃった。」なんて会話が。 みんなの会話の中に何度も「あの人」という言葉が出て来て黒幕の存在を感じさせる。「あの人は一人でがんばっているんだから」「あのひとの指示で」といった感じに。 ”コンタさん@心の叫びマスター”の回想でお母さん(寺田体育の日、二役)が出てくるんだけど、これまたかなり強烈!ゴッツイし、ロングのカツラが顔に覆い被さっていて、息子を締め付けるコトバの暴力、行動もかなり・・・。心の叫びマスターが出来上がっちゃうワケだなぁ。「誰が狂牛病なのっ!?」と息子を殴り付けるところなんてまさしく狂牛病。半袖のブラウスから出ている腕のたくましさがまた怖かったわ・・・。 キックさん@店員の回想シーンでは高校時代に片想いしていた「キヨカワノゾミ」さん(ときメモに出てくるキヨカワノゾムから来てるらしい)に電話をかけようと練習しているところだった。このシーンは最高に面白い!書き出すと発言全部を思い出して載せたくなっちゃうくらい。特に面白かったのがそのキヨカワさんに電話しようとする時に「あっ!184(イヤヨ)押すの忘れた!!」なんてナンバーディスプレイネタが出て来て「おお〜」と思った。 店長(江頭)は「劇団夢の遊民社党」を主催していて公演を3回やったところで借金がふくれあがり解散、というエピソードに刑事(総裁@借金大王)が「よくあるパターンだな!」と言うところに大受けしてしまいました。そこから回想シーンに入るんだけど劇団員(寺田体育の日@三役・ニトログリセリン・骨太熱・バンビ高橋)と練習する店長のところに借金の取りたて(松本キック@二役・玉置・倉本幸二)が来るんだけど、さっきまでのキックさんとゼンゼン違う〜。ニュートラルに近い姿を見て、改めて店員キャラがいかに作り込まれているかを実感した・・・。 そして加賀谷@「自由自民党」党首が店の前で報道陣やヤジ馬に向かって演説を始める。明治天皇とかが着てそうな格好をして、平等を説いていく。途中からは自分の生い立ちの独白になっていき・・・。切腹しそうになったところに刑事(寺田)が白旗と革命を認める書面を持って現れた。みんなが喜び合って、黒幕「あの人」こと総裁が現れた。なんと加賀谷@自由自民党党首は選挙にトップ当選したという。みんなが「今なら何でも出来そうな気がする!」と言って、キックさん@店員は携帯電話を借りて「キヨカワさん」に電話し、デートのOKをもらった。・・・と思ったらまたまた練習だって。(笑) 総裁@「あの人」革命の旗(赤い国連旗)を立てた途端、撃たれて、機動隊が乗り込んでくる・・・。機動隊員(寺田)がいまいましげに旗を倒すと無言でそれを立て直すキックさん。また倒す機動隊。コンビニにいた全員と、乗り込んできた機動隊の乱闘が始まる。照明がストロボ照明に変わって、コマ送りの映像みたいになる。目の前で起こってることなのに不思議な感覚。だんだん感極まって来て鳥肌。幕が閉まってそこにスライドの映像で、(多分為ちゃんが使い切りカメラで撮っていたあの写真っていう設定なんだろうな)コンビニでみんなが遊んだり、通路に座り込んでお弁当を食べたりしている写真が流れ何ともせつなくなってしまった。 と、幕が再び上がるとなぜかみんな「劇団夢の遊民社」になっていた。(笑) 迷彩服着て練習してるよぉ。途中、店長と同じ服装をして外を覗いたために撃たれたはずの為ちゃんもいるし、刑事@寺田さんもいっしょだし。大団円??とそこに「一年で出られた」と言って総裁@あの人が登場。頭にはNIKEの黒のキャップが。「ちょうど、あいつ、三浦和義といっしょに出所してさあ。このキャップもらったんだよ。」というセリフはあまりにもタイムリーで受けてしまいました。そこに「センセイ」こと自由自民党党首@加賀谷がみんなと同じ迷彩服で、片手には「自由自」のロゴが入った党旗を持って登場。「この格好で議会出たら菅直人に怒られました」と言いながら。(笑) ・・・というわけで何故か一件落着したのでした。 その日は本公演の最終だったので構成員紹介がありました。新人の人達は3人ずつ、寺田さん、江頭が名前だけ紹介しました。そしてメインの人達の自己紹介では、キックさんは翌日のG1予想を、コンタさんは名古屋で行われるK1の予想、江頭は総裁にふられて突然サッカーのW杯予想(フランスの勝ちって言ってました。根拠なしだったけど当たったねっ!)と、もともと用意していた「北の国から」(後編)予想。「五郎さんが死ぬ!!」ってオイッ!前編を観たのか、総裁の肩を掴んで「もう、スゴイんですよぉ!蛍と正吉の結婚知らされて怒るかと思ったら、田中邦衛ゼンゼンしゃべらないんですから!!!」と熱く語っていて「俺はなんてリアクションしたらいいんだ〜」って総裁は困っていました。そして寺田さんはちょうど開催中の大相撲名古屋場所予想をしてました。「公演の前日、焼肉行ったら、名古屋の街、デブばっかり!プロのデブ!!(爆)あいつら食い方スゲーよ!」って言いながら「兄が話題だから、きっと弟が勝つ!貴乃花!」って言ってました。(これまた的中・・・) 会場になんか物をあげるところでは前々日に焼肉を食べ過ぎてお腹を壊してしまった加賀谷の友、アロエヨーグルト(懐に入っていたため人肌)や、コンタさんが本編の中で使った履歴書をあげたりしていました。 とまあこんなカンジで第23回大川興業本公演は幕を閉じたのでした。 会場に入る時にもらったB4二つ折りのパンフレットには、総裁をはじめ、メイン出演者それぞれの「自由」についての文章が掲載されていた。それぞれ全員が個性的で、おもしろかった。自分が「自由」について書くとしたらどんな文章が書けるだろうか??どんな表現が出来るだろうか??多分この大川興業の人達の文章にも表現にもとても追いつけないなって思う。これからゆっくり「自由」について考えてみたいと思った。他の人の真似じゃなく自分の「自由」を。 ストーリーは映画「S.F.W」をちょっと思い出したりもした(設定はゼンゼン違う)けど、事件が終結したところで涙が出そうだった。人物像がおもしろいだけでなく、「人間の悲しみ」の部分も描かれていて深かった。 まさに今を感じさせる時事ネタがたくさん入っていて、(もちろん)笑いがそこかしこに入っていて、内容もしっかりあって・・・。今回それほどの期待も先入観も何もなく来たのに、すごくいいものを観たなあってキモチでいっぱいです。楽しかった。 |
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